好きな人の誕生日や記念日は忘れないように、
11/1~10ゆかりの音楽家を紹介する音楽カレンダーです。
11/1は指揮者オイゲン・ヨッフムの誕生日
11/1は指揮者オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum)の誕生日。
1902年ドイツ・バイエルン州のローマ・カトリックの家庭に生まれ、お父さんがオルガニスト・作曲家。
自身も最初はピアノとオルガンを学び、のちに作曲、そして指揮者への道を歩みます。
バイエルン放送交響楽団の初代の首席指揮者でこのオーケストラの発展に大きく貢献しました。
ブルックナーの権威と言われ、ドイツ音楽が得意。ベートーヴェン・ブラームス全集を出しています。
ブラームスの交響曲は1番と4番が人気ですが、2番はほのぼのとあたたかい曲。
11/2は指揮者 ジュゼッペ・シノーポリの誕生日
11/2は指揮者ジュゼッペ・シノーポリ(Giuseppe Sinopoli)の誕生日。
1946年イタリア・ヴェネツィア生まれ。パドヴァ大学で心理学と脳外科を学びつつ、同時に、マルチェルロ音楽院で作曲を専攻し、指揮は、ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーやカール・エスターライヒャーに師事。
独自の音楽解釈、とりわけ精神医学の観点からの解釈は賛否両論あり、熱心な信者も多いとともに、批判も少なくありませんでした。
ワーグナー楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第一幕への前奏曲をどうぞ。
11/3はヴィンチェンツォ・ベッリーニの誕生日
11/3はオペラの作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(Vincenzo Bellini)の誕生日。
1801年イタリア・シチリア島生まれ。19世紀前半の「ベルカント・オペラ」と呼ばれるイタリアオペラの代表的作曲家「ノルマ」「夢遊病の女」「清教徒」などは今も大人気です。
ショパンはピアニストもベルカントを学ぶべきとして、ベッリーニを賞賛していました。
「ノルマ」のアリアを聴きましょう。。。
11/4はフェリックス・メンデルスゾーンの命日
11/4はフェリックス・メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy)の命日。
ドイツの裕福な銀行家の家に生まれ、早くから神童ぶりを発揮し、音楽家の中では恵まれた境遇だったと思われていますが、ユダヤ人の家系ゆえの言われなき迫害を受けることも少なくなく、彼自身の極めて繊細な気質ゆえの悩みも多かったようです。
1847年ライプツィヒで38年の生涯を閉じました。
バッハが18世紀に生きていたらこんな作品が生まれたかもと思いつつメンデルスゾーンらしい前奏曲とフーガOp.35より1番をどうぞ。
11/5はジョルジュ・シフラの誕生日、ホロヴィッツの命日
11/5はピアニスト ジョルジュ・シフラの誕生日でウラディミール・ホロヴィッツの命日です。
11/5はジョルジュ・シフラの誕生日
11/5はハンガリー出身のピアニスト ジョルジュ・シフラ(Georges Cziffra)の誕生日。
1921年ハンガリー・ブタペスト生まれ。ソ連支配下にあったハンガリーから出国(脱走)しようと試みるも失敗し、1950~53年には投獄、1956年にようやくウイーン行きを許されましたが、以降、演奏の際には、決まって革の腕輪をはめ、囚人時代の屈辱を忘れないようにしたそうです。
リストの再来と呼ばれることからわかるように、ずば抜けた技巧派ですが、時に正確さに欠け、単なるウケを狙っているのではなかという批判がありました。
個人的には、”音”を越えて向こうにあるものを見せてくれると思っています、好きですよ。。。
シフラ・ワールドを満喫できるビデオをどうぞ。
11/5はウラディミール・ホロヴィッツの命日
11/5はウラディミール・ホロヴィッツ(Vladimir Samoilovich Horowitz)の命日。
幼い頃から神童ぶりを発揮し、数々の伝説を生むも、1983年80歳での初来日リサイタルは吉田秀和氏曰く「ひびの入った骨董品・・・」に大きくうなずいた方が多かったでしょう。
・・・NHKで生中継されたそのリサイタルはよ~く覚えています。
何日も前からドキドキしながら待ちわび、テレビにかじりついていたものの、演奏を進むにつれ頭の中は
「?????????????????????・・・・・」
休憩時間にインタビューとして流れた吉田秀和氏の先の台詞に大きくうなずき、齢を重ねることの残酷さを思ったものです。。。
その3年後に再来日した時には本来の良さが発揮されていたとのことですが、当時は大きく膨らみ過ぎた期待を裏切られたことで一時ホロヴィッツへの興味まで全く失ってしまいました。
・・・という日本人一少女の心の内とは関係なく、ホロヴィッツは、最後まで現役として活躍し続け、1989年レコ―ディングを終えた4日後に急逝。その演奏です↓
11/6はチャイコフスキーとコチシュの命日
11/6は作曲家チャイコフスキーとピアニストのコチシュ・ゾルターンの命日です。
11/6はピョートル・チャイコフスキーの命日
11/6はピョートル・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky)の命日。
CMやドラマのBGMにもよく使われるピアノ協奏曲、誰でも耳にしたことのあるヴァイオリン協奏曲、冒頭のオーボエのメロディーは誰でも知っている「白鳥の湖」など、人気の名曲が多いチャイコフスキーですが、彼の作品の多くは初演時には不評で、ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲などは献呈者に「演奏不能」と言われたりと辛酸をなめています。
1893年ロシア・サンクトペテルブルクで53年の生涯を閉じました。
交響曲第5番をどうぞ。
11/6はピアニスト コチシュ・ゾルターンの命日
11/6はハンガリーのピアニスト コチシュ・ゾルターン(Kocsis Zoltán)の命日。
2016年惜しまれつつ64年の生涯を閉じました。
つまでも少年の無垢な魂と猛々しさのままほとばしるように激しい演奏が印象的でした。
歳を重ねると丸くなると言われますが、最後まで丸くならない、そんな人。
動画はラフマニノフのピアノソナタ第2番ですが、1931年の改訂版で演奏されるのが一般的な中、コチシュは1913年のオリジナルを演奏しています。
11/7はピアニスト エレーヌ・グリモーの誕生日
11/7はフランスのピアニスト エレーヌ・グリモー( Hélène-Rose-Paule Grimaud)の誕生日。
1969年プロヴァンス生まれ。マルセイユでピエール・バルビゼに師事、13歳でパリ国立高等音楽院に入学、ピアノをジャック・ルヴィエ、室内音楽をジェヌヴィエーブ・ジョワに学び、デビューはラフマニノフのピアノソナタ第2番。
フランス音楽には興味がなく、ドイツ・ロマン派音楽に魅了されると語る通り、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスでキャリアを始め、ショパン、バッハ、リスト、ごく近年ドビュッシーなども演奏するようになったようです。
ピアノ以外にも大学で動物生態学を学んでおり、1999年、ニューヨーク・ウルフ・センターを設立。ニューヨーク州郊外で野生オオカミの保護活動に取り組み、現在はニューヨークでの生活の一方で動物学を学び、オオカミの生態を研究しながら、その養育を続けており、著書もあります。
ラフマニノフ練習曲『音の絵』作品33-2、1です。
11/8はセザール・フランクの命日
11/8はベルギー出身、フランスで活躍した作曲家・オルガニストセザール・フランク(César-Auguste-Jean-Guillaume-Hubert Franck)の命日。
1890年パリで68年の生涯を閉じました。
弟とともに早くから才能を表し、父はリストのように育てるべく英才教育を行い、13歳の時に一家でパリに移住、パリ音楽院に学びますが、退学・・・
リストやショパンにも才能を注目されましたが、結局ピアノ教師、後に教会オルガニストに就任、生涯その職にとどまり、オラトリオなど宗教音楽を中心に作曲。
1872年パリ音楽院教授、63歳ころから作曲されたヴァイオリン・ソナタ イ長調、交響曲ニ短調などで注目されるようになりました。
弟子が優秀なのも特筆すべきでヴァンサン・ダンディ、エルネスト・ショーソン、ガブリエル・ピエルネ、アンリ・デュパルク、ギー・ロパルツらは、のちに“フランキスト”と呼ばれ、ドビュッシーたち印象主義音楽と対抗することになります。
フランクと言えば、やはりヴァイオリンソナタ。アイザック・スターンのヴァイオリン、アレクサンダー・ザーキンのピアノです。
11/9はピアニスト イヴァン・モラヴェッツの誕生日
11/9はピアニスト イヴァン・モラヴェッツ(Ivan Moravec)の誕生日。
1930年チェコ・プラハ生まれ。20歳でプラハ音楽院に入学し、後にプラハ芸術アカデミーに学びました。
20代後半にプラハでのリサイタルの録音が西側に流失、これを聴いたアメリカの小さなレコード会社「コノワッシュール・ソサイティ」がチェコスロバキア当局と交渉して、モラヴェッツと契約を結び、国際的な演奏活動をスタートしました。
風貌に似合わずと言ったら失礼でしょうが、とても繊細なタッチで軽妙なリズムとピュアな響きが魅力のピアニストです。母国チェコの作曲家の他に、モーツァルトやベートーヴェン、ショパン、ドビュッシーをレパートリーしていました。
ショパンのバラード第3番がこれ以上に望めないほどに魅力的です。
11/10はフランソワ・クープランの誕生日
11/10はフランスバロックの音楽家フランソワ・クープラン(François Couperin)の誕生日。
1668年フランス・パリ生まれ。クープランと言えば、クラブサン(チェンバロ)の作品が主で、つまり、二段鍵盤のために描かれています。たとえば、有名な「ティク・トク・ショク」は二段鍵盤ならそれほど難しくはありませんが・・・
一段しか鍵盤のない現代のピアノで弾くととても弾きにくくなります。
ですが、グレゴリー・ソコロフは見事なんですよね~。