11月の音楽カレンダー(2)|アンセルメ、ボロディン、ヒンデミット、ウェーバーetc

クラシックの音楽家たちを紹介する音楽カレンダーです。

好きな人の誕生日は忘れないように、
11/11~20ゆかりの音楽家に想いを馳せてください。

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ピアニストを中心に音楽家の誕生日・記念日を紹介した音楽カレンダーです。 素晴らしい作品を生み出してくれた作曲家・演奏家たちに感謝と敬愛を。。。 音楽カレンダーはTwitterでもご紹介しています。 1月|ミケランジェリ、ポリーニ、モーツァル...
♪この記事を書いた人
Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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11/11は指揮者エルネスト・アンセルメの誕生日

11/11はスイスの指揮者エルネスト・アンセルメ(Ernest Alexandre Ansermet)の誕生日。

1883年スイス生まれ。父親の影響もありパリのソルボンヌ大学とパリ大学で数学を学びました。

母親は音楽好きだったため、音楽への関心も深くエルネスト・ブロッホについて音楽の勉強をはじめ、いくつかの作品を残している他、 ドビュッシーの『6つの古代碑銘』をオーケストラ編曲し、譜面はデュラン社から出版されています。

・・・で、数学者か音楽か迷った彼は、31歳の年に指揮者ニキシュとワインガルトナーに助言を求め、アンセルメは指揮者になると決心し、33歳の年にモントルーで指揮者としてデビューしました。

ストラヴィンスキーやディアギレフと親交深く、バレエ・リュスの初演を果たしています。

映像つきのラヴェル『ラ・ヴァルス』。さすが数学者だけあって棒さばきに幾何学的な美しさを感じます。「諸君、棒の動きをよく見たまえ!さっきのフレーズはこう、今度はこうだ!」という声が聴こえてきそう、フレーズが放物線を描いて聴こえます。

11/12はアレクサンドル・ボロディンの誕生日

11/12は帝政ロシアの作曲家アレクサンドル・ボロディン(Alexander Porfiryevich Borodin)の誕生日。

1833年ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。子供の頃よりピアノのレッスンを続けていたものの、化学を専攻し医学部に進学、サンクトペテルブルク大学医学部生化学の助教授、教授と進み、生涯有機化学の研究家として多大な業績を残し、収入も化学者として得ていました。

30歳の頃にバラキレフに出会い作曲を学び、すぐに優れた作品を生み出すも、化学者としての日々を過ごし、自称「日曜作曲家」というくらいなので、作品の数はあまり多くはありません。

オペラ「イーゴリ公」、交響曲3曲と交響詩、そして何より美しく人気なのが弦楽四重奏曲第2番です。

冒頭から美しく、もちろん全曲素晴らしいのですが、やはり第3楽章「ノクターン」は特にいいです。(13’20頃から)

ボロディン弦楽四重奏団の演奏は、昨今よく聴くエキセントリックさがなく、優雅で気品ある演奏です。

11/13はピアニスト マルグリット・ロンの誕生日

11/13はフランスのピアニスト マルグリット・ロン(Marguerite Long)の誕生日。

1874年フランス生まれのロンは、ロン=ティボー国際音楽コンクールの「ロン」の人です。

フォーレ、ラヴェル、アルベニスなど当時の作曲家たちとの親交も深く、彼女に献呈された作品も少なくありません。演奏のみならず教育者としての功績も大きく、弟子にはジャック・フェヴリエ、ジャン・ドワイヤン、ピエール・バルビゼ、サンソン・フランソワ、フィリップ・アントルモン、日本人の園田高弘と錚々たる顔ぶれが並んでいます。

ラヴェルより献呈されているピアノ協奏曲。
これを聴くと、この曲をジャズに聴こえるように弾くのは違うよね?って思います。

11/14はヨハン・フンメルの誕生日

11/14はヨハン・ネポムク・フンメル(Johann Nepomuk Hummel)の誕生日。

1778年現スロヴァキア(当時ハンガリー)生まれ。指揮者で弦楽器奏者でもあった父より音楽の手ほどきを受け、8歳のとき、モーツァルトの家に住込みで2年間に渡ってピアノを師事。

神童として喝采を浴び、ウィーン音楽院にてアルブレヒツベルガーに対位法、サリエリに声楽作品、ハイドンにオルガンを学び、またベートーヴェンと親交を結んだという寵児。

ハイドンの推薦でエステルハージ家のコンサートマスターに就任し、ハイドンの引退後は宮廷楽長となり、1811年までこの地位にあって劇作品や礼拝堂用の宗教作品を手がけ、少年聖歌隊の指導や楽団の指揮にあたりました。

存命中はベートーヴェンと並び称されるほどで、シューベルト、メンデルスゾーン、カール・ツェルニー、ショパンらと交流を持ちかつ多大な影響を与えましたが、死後忘れ去られてしまいました。

・・・とは言え、19世紀以後のピアノ奏法に大きな影響を与えた人で、その意味では、なくてはならない人なのです。

11/15はグルックの命日、バレンボイムの誕生日

11/15はオペラ作曲家クリストフ・ヴィリバルト・グルックの命日、ピアニスト・指揮者のダニエル・バレンボイムの誕生日です。

11/15はクリストフ・グルックの命日

11/15はドイツ生まれ、オーストリアとフランスで活躍したオペラ作曲家クリストフ・ヴィリバルト・グルック(Christoph Willibald (von) Gluck)の命日。

ドイツ生まれですが、ボヘミア育ちで18歳よりプラハ大学で音楽と哲学を学び、27歳で最初の歌劇《アルタセルセ Artaserse 》を作曲し、大量に舞台音楽の作曲を始めます。

40歳にしていマリア・テレジアの宮廷楽長の地位を得てウィーンに定住、1787年73歳で生涯を閉じました。

代表作はバレエ音楽《ドン・ファン Don Juan 》と歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》。

グルックは、当時主流だったスター歌手のためにあるオペラというより、作品そのものを重視したため、当時は議論の的となりましたが、結果的にオペラ改革につながったと言われています。

誰でも耳にしたことのある歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》の間奏曲〈精霊たちの踊り〉のピアノソロバージョン、ラフマニノフの演奏です。

11/15はピアニスト・指揮者 ダニエル・バレンボイムの誕生日

11/15はピアニスト・指揮者ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)の誕生日。

1942年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。ピアノレッスンは両親のみで、7歳で公開演奏会を開いてピアニストとしてデビュー。

1952年家族でイスラエルに移住。1954年夏、両親に連れられ、ザルツブルクでイーゴリ・マルケヴィチの指揮法のマスタークラスに出席。1955年にパリで和声と作曲をナディア・ブーランジェに師事。21歳でベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏を果たし、ピアニストとしての地位を築く。

1966年からイギリス室内管弦楽団とモーツァルトの交響曲録音を開始し指揮者デビュー。1970年代からは、欧米各地の交響楽団から指揮者として招かれ、2009年と2014年のウィーン・フィルニューイヤーコンサート登壇。

ピアノも指揮も、素晴らしい演奏は山ほどありますが、とても興味深いレクチャーがあります。必見です!

11/16はパウル・ヒンデミットの誕生日

11/16はドイツの作曲家、指揮者、ヴィオラ奏者で、ヴァイオリン、クラリネット、ピアノなども演奏するパウル・ヒンデミット(Paul Hindemith)の誕生日。

1895年ドイツ・ハーナウ生まれ。11歳で音楽家になると決心、フランクフルトのホッホ音楽院でヴァイオリンと作曲を専攻。20歳の時にフランクフルト・ムゼウム管弦楽団(フランクフルト歌劇場管弦楽団)のコンサートマスターを務め、第一次世界大戦除隊後はヴィオラ奏者、作曲家として活動、33歳の時、ベルリン音楽大学の作曲科の教授に就任。

翌年の1934年に作曲された代表作のオペラ『画家マティス』はドイツ人でありながらナチスの意に沿う保守的作品ではない「退廃音楽」であるとされ、弾圧を受けました。いわゆるヒンデミット事件です。

1935年にはトルコ政府からの依頼で、音楽教育の編成に携わり、アンカラ音楽院の開校に尽力しました。43歳でスイスへ亡命、45歳でアメリカに亡命し、市民権を得て、イェール大学の教授に就任。

第二次世界大戦後、58歳の時にスイスへ帰還し、ウィーン音楽院で教鞭をとり、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の初来日の際には指揮者を務めました。

・・・と激動の時代に翻弄された波乱万丈の人生ですが、第一次世界大戦後、ロマン派からの脱却を目指して「新即物主義」を推進。20世紀ドイツを代表する作曲家として同時代の音楽家に強い影響を与えました。

ヴィオラとチェロのためのスケルツォ、ヒンデミット自身とフォイアーマンです。

11/17はエイトル・ヴィラ=ロボスの命日

11/17はブラジル出身の作曲家エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos)の命日。

1959年リオデジャネイロにて72年の生涯を閉じました。

リオ・デ・ジャネイロに生まれ、アマチュア音楽家であった父親と叔母から音楽の手ほどきを受けました。叔母はJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集を好んだと伝えられます。

ピアノ、クラリネット、チェロを演奏することを学び、父親の死後、10代でカフェのチェロ弾きとして生計を立てることとなりました。

18歳頃よりブラジル東北部に民謡の収集につとめ、のちにリオ・デ・ジャネイロの音楽院で学びますが、アカデミックな態度とは常に一線を画しており、独学で作曲を身につけたといえます。

32歳で新作のコンサートを開いたのが機となり、サンパウロの近代音楽週間に招かれるなどの活動によって、政府の奨学金を得ることができ、パリへ留学しました。

留学時代にアルトゥール・ルービンシュタインからエドガー・ヴァレーズにいたる幅広い音楽家・芸術家に認められました。

35歳でリオ・デ・ジャネイロの音楽院の院長に就任、音楽院の教育課程を見直すとともに、ブラジル音楽の真価の啓蒙につとめるべく、ブラジルの民俗音楽に根ざした作品を創作して世界各地で演奏、パリをはじめ各地で大成功を収めて20世紀を代表する作曲家の一人として知られるようになります。

ヴィラ・ロボスの代表作「ブラジル風バッハ」として知られる作品群は、直訳すると「バッハ風・ブラジル風の音楽」。内容は「ブラジルの民俗音楽とバッハの作曲様式の融合」といえるでしょうか。

全9曲は様々編成からなり、第4番はピアノソロです。

まさしく、バッハとブラジル。
とても興味深いです。

11/18はイグナツィ・パデレフスキの誕生日

11/18はピアニスト・作曲家、ポーランド首相イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(Ignacy Jan Paderewski)の誕生日。

1860年現在ウクライナ領のポーランドポドリア地方生まれ。

12歳でワルシャワ音楽院に進学、24歳からレシェティツキに師事。1887年ウィーン・デビュー、

1919年新生ポーランド首相・外務大臣。1924年政界引退し、演奏活動に復帰、カーネギーホールで大成功をおさめる。1939年国政復帰、1941年NYで客死。

50歳過ぎのショパンノクターンです。

11/19はシューベルトの命日、ウェーバーとアンダ・ゲザの誕生日

11/19はフランツ・シューベルトの命日で、マール・マリア・フォン・ウェーバーとアンダ・ゲザの誕生日です。

11/19はフランツ・シューベルトの命日

11/19はオーストリアの作曲家フランツ・シューベルト( Franz Peter Schubert)の命日。

ドイツ・リートに金字塔を打ち立てたことで「歌曲の王」と呼ばれたシューベルトは、尊敬していたベートーヴェンが亡くなった翌年の1828年、31歳の生涯を閉じました。

即興曲Op.90-3をホロヴィッツの極めて美しい演奏でどうぞ。

11/19はカール・マリア・フォン・ウェーバーの誕生日

11/19はドイツの作曲家・指揮者・ピアニスト カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria Friedrich Ernst von Weber)の誕生日。

1786年ドイツ生まれのウェーバーの代表作であるオペラ『魔弾の射手』は、ワーグナーやベルリオーズを作曲を志すきっかけになったと言われています。

ピアノ作品ではやはり「舞踏への勧誘」でしょう。ラローチャの演奏でどうぞ。

11/19はピアニスト アンダ・ゲザの誕生日

11/19はハンガリー出身のピアニスト アンダ・ゲザ(Anda Géza)の誕生日。

1921年ハンガリー・ブダペスト生まれ。王立ブダペスト音楽院でドホナーニ・エルネーに師事し、19歳でリスト・フェレンツ賞を受賞した。第二次世界大戦中は奨学金を得てベルリンに留学、1943年にスイスに亡命。

フルトヴェングラーに「ピアノの吟遊詩人」と評された。

バルトークピアノ協奏曲全曲を演奏・録音。ベートーヴェンやシューマン、ショパン、リスト、ブラームスを得意とした。モーツァルトのピアノ協奏曲の全曲演奏も行なった。映画「みじかくも美しく燃え」のサウンドトラックは彼の演奏。

11/20はピアニスト ルース・ラレードの誕生日

11/20はアメリカのピアニスト ルース・ラレード(Ruth Laredo)の誕生日。

1937年アメリカ・デトロイト生まれ。2歳で母親の手ほどきによりピアノを始め、カーティス音楽院でルドルフ・ゼルキンに師事。

ラフマニノフのピアノ独奏曲全集を世界初めて全曲録音とした人として知られています。

アメリカでは名実ともに抜きんでた存在で「アメリカピアノ界のファーストレディ」と呼ばれるのですよね。この映像見ると、何となくハリウッド女優の雰囲気を感じます。

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