12月の音楽カレンダー(3)シフ、カザルス、カバレフスキーerc

クラシックの音楽家たちを紹介する音楽カレンダーです。

一年に一度しか思い出さない音楽家もいるかもしれませんが、誰かが誰かにつながっていて、クラシックの名曲が生まれました。

12/21~31ゆかりの音楽家に想いを馳せましょう。

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ピアニストを中心に音楽家の誕生日・記念日を紹介した音楽カレンダーです。 素晴らしい作品を生み出してくれた作曲家・演奏家たちに感謝と敬愛を。。。 音楽カレンダーはTwitterでもご紹介しています。 1月|ミケランジェリ、ポリーニ、モーツァル...
♪この記事を書いた人
Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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12/21はサー・アンドラ―シュ・シフの誕生日

12/21はサー・アンドラーシュ・シフ(Sir András Schiff)の誕生日。

1953年ハンガリー・ブダペスト生まれ。5歳でピアノを始め、14歳からフランツ・リスト・アカデミー(現リスト・フェレンツ音楽大学)でクルターグ・ジェルジュ、カドシャ・パール、ラドシュ・フェレンツに学んだ後、ロンドンでジョージ・マルコム、タチアナ・ニコラーエワとベラ・ダヴィドヴィチに学ぶ。

1970年代に同世代のコチシュ・ゾルターン、ラーンキ・デジェーと共にハンガリーの「若手三羽烏」として売り出されたが最年少のシフは3人のうちでも目立たない存在でした。

1980年代にイギリスのデッカ・レーベルからのモーツァルトのピアノ・ソナタ全集注目を集め、続くバッハ作品によって「グールド以来のバッハ解釈者」と確固たる地位を築きました。

フランス組曲第6番をどうぞ。

12/22はベートーヴェン「運命」と「田園」が初演された日

12/22はベートーヴェン「運命」と「田園」が初演された日。

1808年12/22にベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と第6番「田園」がウイーンで初演されました。

個人的には田園の方が好きです。ワルター&コロンビア響でどうぞ。

12/23はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が初演された日

12/23はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が初演された日

1806年12/23ウイーンでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が初演されました。

初演者であるアン・デア・ウィーン劇場オーケストラのコンサートマスターだったフランツ・クレメントは、ほぼ初見でこの曲を演奏して、大喝采を浴びたとされています。

その後忘れられた存在だったこの曲に再び知られるようになったのは、ヨーゼフ・ヨアヒムの功績です。

ナタン・ミルシテインのソロでどうぞ。

12/24は『アイーダ』がカイロで初演された日

12/24はジョゼッペ・ヴェルディのオペラ『アイーダ』がカイロで初演された日。

1871年エジプト・カイロのカイロ劇場で初演されました。

第2幕第2場での「凱旋行進曲」は誰でも耳にしたことのある曲ですが、ぜひ一度全曲鑑賞しましょう。

12/25は「きよしこの夜」の原曲「Still Nachat」が初演された日

12/25は「きよしこの夜」の原曲「Still Nacht」が初演された日。

1818年12月25日にオーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演されました。

原題『Still Nacht』は、司祭ヨゼフ・モールの作詞、曲は聖ニコラウス教会聖歌隊の指揮者とオルガン奏者だったフランツ・クサーバー・グルーバーによります。

「きよしこの夜」で知られる日本語訳は牧師で讃美歌作家、パスカル『パンセ』の訳で知られる由木 康により、1909年の『讃美歌』第2編に収録されました。

ウィーン少年合唱団の天使の歌声で聴きましょう。

12/26はピアニスト ニキタ・マガロフの命日

12/26はグルジア系サンクトペテルブルク生まれのピアニスト ニキタ・マガロフ(Nikita Magaloff)の命日。

少年時代にはプロコフィエフやラヴェルにも可愛がられたという楽才を持ちながらも、ソリストとしての名声を得たのは40歳を迎える頃という大器晩成の人は、1992年80歳で生涯を閉じました。

ショパン全集の素晴らしい演奏は、「叩くのではなく音をすくい上げる」との彼の言葉が示すように、とても美しく高貴にして慈愛にあふれています。

・・・ポーランド人だったショパンの音楽を美しく演奏するのは、やはり少数派の人たちだな~と思うのです。

温かい部屋でしみじみ聴きたいショパン『舟歌』。
最初は風景映像ですが、25’くらいからマガロフの演奏映像になります。

12/27はピアニスト シューラ・チェルカスキーの命日

12/27はピアニスト シューラ・チェルカスキー(Shura Cherkassky)の命日。

最晩年まで現役として演奏を続け、1995年86歳の生涯を閉じる前年にユーリ・テミルカーノフ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演したラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」を録音しています。

1995年、亡くなる8か月ほど前の来日公演からショパンとシューマンの幻想曲他、これが86歳ってどういうことなのかと驚くばかりです。

12/28はモーリス・ラヴェルの命日

12/28はモーリス・ラヴェル(Joseph-Maurice Ravel)の命日。1937年62歳の生涯を閉じました。

ピアノ弾きにも人気のラヴェルは「オーケストレーションの天才」「管弦楽の魔術師」とも呼ばれ、一般にオーケストラ作品だと思われているけれど、オリジナルはピアノ作品というものも少なくありません。

その筆頭はムソルグスキー「展覧会の絵」。原曲はピアノソロだということを知らない人が、弦・管関係者には驚くほど多いです。また、オーケストラのレパートリーとしてメジャーは「マ・メール・ロワ」「クープランの墓」「古風なメヌエット」などもオリジナルはラヴェル自身のピアノ曲です。

原曲は管弦楽のラ・ヴァルスのラヴェル自身によるピアノソロです。

12/29はパブロ・カザルスとイヴ・ナットの誕生日

12/29はチェリスト パブロ・カザルスとピアニスト イヴ・ナットの誕生日です

12/29生まれの音楽家1/2 チェリスト パブロ・カザルス

12/29はチェリスト・指揮者・作曲家パブロ・カザルス(Pablo Casals)の誕生日。

1876年スペイン・カタルーニャ地方生まれ。11歳でチェロを始め、バルセロナ市立音楽院でチェロ、ピアノ、音楽理論、作曲などを学びました。

チェロの師であるホセ・ガルシアから教えられた当時のチェロ奏法は、両腕ともひじを脇につけるものでした。右手は前腕だけで弓を扱い、左手は指の間隔を広げずにすべらせて音程移動させていましたが、カザルスはその奏法に疑問を抱き、両腕とも脇から離し、自由にする奏法を確立しましたが、それには10年以上の年月を要したと言われます。

現代では当たり前のチェロ奏法は、カザルスによるもの。指揮者フルトヴェングラーは「パブロ・カザルスの音楽を聴いたことのない人は、弦楽器をどうやって鳴らすかを知らない人である」という言葉を遺しています。

14歳の時にバルセロナの楽器店で見つけたバッハの無伴奏チェロ組曲は当時練習曲の扱いを受けていましたが、カザルスは10数年の研究を経て1904年に初めて公開演奏を行い、価値を再確認し、広めたことで現代ではチェリストに欠かせないレパートリーとなってい

歳の時にバルセロナの楽器店で見つけたバッハの無伴奏チェロ組曲は当時練習曲の扱いを受けていましたが、カザルスは10数年の研究を経て1904年に初めて公開演奏を行い、価値を再確認し、広めたことで現代ではチェリストに欠かせないレパートリーとなっています。

77歳の時の演奏で1番をどうぞ。

12/29生まれの音楽家2/2 ピアニスト イヴ・ナット

12/29はピアニスト イヴ・ナット(Yves Nat)の誕生日。

1890年フランス生まれ。10歳で自作を指揮、その演奏を聴いたサン=サーンスやフォーレにパリ音楽院への進学を勧められ1907年首席獲得。

1909年ドビュッシーに連れられ渡英を機に欧米各地で演奏旅行、ジャック・ティボーやジョルジュ・エネスコ、ウジェーヌ・イザイらとも共演。

1934年パリ音楽院での教育と作曲活動のため演奏活動休止、1950年代に再開、1951-55年ベートーヴェンピアノ・ソナタ全曲録音を実現。

シューマン フモレスケが最高だと思っています。

12/30はドミトリー・カバレフスキーの誕生日

12/30はロシアの作曲家ドミトリー・カバレフスキー(Dmitri Borisovich Kabalevsky)の誕生日。

1904年ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。ソ連の音楽家として大成功したカバレフスキーは作曲家・ピアニストのみならず、子どもの音楽教育への貢献にも大きな功績を遺しました。

子供のための作品も多く、音楽教育についての著作の他、自身も7歳児学級を担当しました。

ヴァン・クライバーンがチャイコンで演奏したロンドです。

12/31はヴァイオリニスト ナタン・ミルシテインの誕生日

12/31はヴァイオリニスト ナタン・ミルシテイン(Nathan Milstein)の誕生日。

1903年ウクライナ・オデッサ生まれ。母親のすすめでヴァイオリンを始め、11歳の時にレオポルト・アウアーに招かれてサンクトペテルブルク音楽院に入学。後にウジェーヌ・イザイにも師事。

1917年のロシア革命によりアウアーがノルウェーに脱出すると、キエフに戻り、同じ歳のウラジミール・ホロヴィッツと知り合い、しばしば共演するようになります。

1929年にストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団と共演してアメリカ・デビュー。ニューヨークに居を構えながらもヨーロッパでも演奏活動を続けました。1975年にはグラミー賞を受賞、1968年にはレジオン・ドヌール勲章を受章。

超絶技巧の持ち主でありながらもイザイの影響によるフランコ・ベルギー楽派の優美な演奏スタイルで「ヴァイオリンの貴公子」と称されます。

ホロヴィッツとのデュオでブラームスのヴァイオリンソナタ第3番。ホロヴィッツの響きの伸びやかさと美しさが一層際立ち、ピアノは(打楽器ではなく)ヴァイオリンに勝ると劣らぬ歌う楽器であることを証明するような演奏です。2人とも47歳の時の演奏ですが、それにしても絢爛豪華なブラームスです。

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