ピアノ・ベーシック・トレーニングの
5つのボディワークで
ピアノを弾くための
心身のコンディションを整えたら、
指のストレッチをしましょう。
ピアノ弾きは芸術家であると同時に鍵盤上のアスリートです。
スポーツ選手が練習メニューを
ストレッチで始めるように
ダンサーが
ストレッチをするように
ピアノ弾きもストレッチをしましょう。
指のストレッチの効用
ピアノ弾きのための指のストレッチにはこんな効果があります。
- 血行をよくして手を温める
~温かい手はしなやか - 柔軟性を高め、関節可動域を広げる
~しなやかな手は楽に広がり動きもスムーズ - コンディションの向上
~温かくしなやかな手は演奏する準備のできている手 - 練習効果を高める
~コンディションが良ければ練習効果もアップ - パフォーマンス向上
~コンディションがよければ表現も伸び伸び - 故障の予防・疲れの軽減
~いつもベストコンディションで練習・演奏
日々のストレッチは地味ながら確かな効果をもたらします。
ストレッチは気持ちよく行いましょう
ストレッチというと、しかめっ面で痛いのを我慢して力づくで引っ張るイメージをお持ちの方がいますが・・・
それは拷問です。
たったひとつしかない、かけがえのない自分の身体を痛めつけてはいけません。
弾きたい曲へのあふれる想いを実現してくれるのは、あなた自身の指であり身体です。
愛情を持って優しく扱いましょう。
ストレッチは、筋肉を伸ばすことです。
穏やかな呼吸で心を鎮めて
身体(ストレッチ部位)を感じることで
筋肉の流れに沿って伸びていきます。
背伸びをすると気持ちがよいように、
指のストレッチもとても気持ちよいものです。
痛みは警告です!無視してはいけません!
無理に引っ張るとなぜ痛いのでしょうか?
痛みを感じるのは、
脳の中枢神経から筋へ
危険!
と警告が送られるからです。
痛みを我慢して引っ張るのは、脳は
もう限界!これ以上はNG!
と命令しているのに、
無理やり引っ張るという矛盾する行為です。
効果がないばかりか、
筋線維を傷つけることになりかねません。
くれぐれも、力任せに引っ張らないように!!
指のストレッチは全身のストレッチでもある
ピアノは指で鍵盤を操作して弾きますが、指を動かすというのは、伸筋と屈筋の協調関係です。
伸筋:指を伸ばす
屈筋:指を曲げる
さらに、筋肉や神経・腱は全身つながっています。
ピアノの練習だけでなく、PCなどで指を酷使すると肩や首が凝ったりするのは指が全身の一部である証拠です。
指のストレッチは全身との関係を感じながら行いましょう。つまり
指をストレッチすれば
全身ストレッチされるということ。
ピアノ演奏は指先だけで行うものではありません。指のストレッチは全身の一部としての指を感じながら行いましょう。
指のストレッチは3種類です。
- 伸筋と屈筋のストレッチ
- 自発的ストレッチ
- 負荷をかけるストレッチ
伸筋と屈筋のストレッチ
伸筋のストレッチは、手の甲側から腕⇒背中⇒下半身のつながりを意識して伸ばします。
ピアノを弾く姿勢で座り、
穏やかに呼吸しながら
全身を感じ
脚⇒腰⇒背中⇒腕⇒手の甲のつながりを感じて
気持ちよ~く伸ばします。
屈筋のストレッチは、
脚⇒腰⇒背中⇒腕⇒手のひら側の
つながりを感じて伸ばします。
伸筋⇒屈筋を交互に
穏やかに呼吸してリラックスして、
全身の筋肉が気持ちよ~く、
のびやかになるイメージで
身体を解放してあげましょう。
自発的ストレッチ
伸筋と屈筋のストレッチの次は、
指を1本ずつストレッチします。
指が根っこのように下へ伸びて長くなるイメージを持つことで、手の柔軟性をもたらします。
小指⇒薬指⇒中指⇒人差し指⇒親指の順で行います。
常に全身を感じ、その末端である指先が根っこのように伸びていくイメージで気持ちよく指を解放します。
無理やり力を入れて引っ張ってはいけません。
筋肉は全身つながっていますので、指を伸ばせばもれなく全身が伸びます。そののびやかさを感じて行います。
間違ったやり方は、
百害あって一利なし!
大切な指を故障させかねません。
負荷をかけるストレッチ
指を1本ずつを気持ちよ~くストレッチしたら、
次は負荷をかけるストレッチです。
小指⇒薬指⇒中指⇒人差し指⇒親指の順で行います。
小指は向こうへ、残りの4本の指は垂直方向へストレッチ、次は薬指へ移動。
両手で行います。
以上、指のストレッチ3種です。
指は全身の一部です。筋肉は全身つながっていますので手や指だけを引っ張るのではなく、常に全身を感じ、指をストレッチすることで全身のストレッチになることを感じてください。
まとめ
以上指のストレッチをご紹介しました。
指のストレッチにはこんな効果があります。
- 手指と全身のコーディネート感覚を高める
- 手指のコンディションを整え、タッチの質を高める
- 手指の柔軟性を高める
- 故障の予防・疲れの軽減
大切なことは、
指は全身の一部なので
指のストレッチは
全身のストレッチでもあるということ。
3分の指のストレッチで、指が全身の中でどういう存在であるかという意識を高めることができ、パフォーマンスを高めます。
ピアノ・ベーシック・トレーニング《ボディワーク》と《指のストレッチ》は全メニューを10~15分で行うことができます。
ぜひ習慣にしてください!
⇒ ピアノ弾きの演奏向上と故障予防にウォーミングアップのすすめ