あがり症対策・故障予防・練習効果アップ|ピアノ弾きの悩みに瞑想のすすめ

ピアノ弾きの悩みは、突き詰めればこの3つに集約されるのではないでしょうか。

  1. 本番の緊張やあがり症に負けずいい演奏をしたい
  2. 譜読み・練習・暗譜の効率を上げたい
  3. 痛みや故障と無縁の快適なピアノライフをエンジョイしたい

これら全てに極めて効果的で、かつ簡単な方法が、瞑想です。

瞑想にネガティブなイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、スポーツの世界では常識で、オリンピック選手やプロ野球・サッカーなどの一流アスリートが日々行っています。

瞑想の効果について書いてみました。

♪この記事を書いた人
Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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瞑想とは、ただ存在して呼吸する、それだけ

瞑想について、この本がおすすめです。

簡単に紹介しつつ、私の考えなども書き連ねていきますが。。。

瞑想とは何か、一言でいうなら、

心のトレーニング

です。

本質は極めてシンプルで

ただ存在して、呼吸して、今この瞬間に注意を向ける

それだけ、私達ピアノ弾きにとってはこれで十分です。興味のある方は色々調べて試してもいいとは思いますが、そこに深入りしたからと言っていい演奏ができるわけではないと思いますので、ほどほどに。。。

・・・で、ともかく、まずは、椅子に座ったままでも、立った状態でも、横になっていても、いつでも、どこでもよいので、

目を軽く閉じて、
自分の呼吸に意識を向けて
観察しましょう。

息を吐くと、
お腹や胸が収縮し、
気管・喉を経て、
鼻あるいは口から空気が出ていきます。

息を吸うと、
鼻から空気が吸い込まれ、
喉(気管)へ吸い込まれ、
胸が膨らむ・・・
空気の流れと自分の身体の反応感じましょう。

ただこれだけです。

やってみればわかりますが、呼吸を観察しているつもりでも、すぐに色んな考えが浮かんできて、呼吸を忘れてしまいます。

私は、すぐに食べ物の事を考えている自分に気付きます。

朝なら、お昼は何食べようかな~

と思いますし、

夕方なら、

晩御飯は何にしようかな~

と考えています(笑)

呼吸を観察しようと思っても、すぐに忘れてしまうのは、人間とはそういうものだからです。
雑念だらけ、仏教的に言えば、煩悩だらけなのです。

大切な事は、
色んな考えが浮かんでくる事に気付く事、
呼吸から意識が逸れている事に気付く事、
・・・です。

いつ、どこでも、1分、いや、10秒あればできる、このシンプルな方法が驚くほどの効果をもたらしてくれます。

瞑想の効果|瞑想は脳の初期化

瞑想の効果をひと言で表すなら、

脳内情報を整理整頓することにより、
自分を客観視できるようになり、
自分をコントロールしやすくなる

です。

どういうことなのか、PCの初期化を思い浮かべてみるとわかりやすいと思います。知らず知らずのうちに溜まったゴミがPCの動作に影響を及ぼすことはご存じの通り。

脳も同じで、日々生きていて、色んな事で出会って、感じて、考えて・・・そういう雑多な考えや思いや色んなものが脳に溜まっていき、頭の中が常に混乱していて、何が大切なのか適切な判断ができず、常に脳内パニック解消、やらなければならない事がわかっていても出来ないとか、目の前の事に集中できない…となるわけです。

知らず知らずのうちに溜まってしまった脳内の不要な情報を除去し、整理整頓して、空きスペースを作る事で、心を鎮める事ができるようになります。

心を鎮めることができれば

  • メタ認知|自分を客観視する
  • セルフ・コントロール|気づけば行動が変わる

という事もより容易になり、学習効率・練習効率・パフォーマンス向上へとつながります。

メタ認知|自分を客観視する

メタ認知とは、自分が今、何を考えたり行動したりしているかを自分自身で認知する事です。

わかりやすく言えば、「自分を観察するもうひとりの自分が機能している」です。

ざっくり、わかりやすく言うなら・・・・
自分の事を「何、やっているんだ・・・」とか「私って何て偉いのであろう、自分で自分を褒めてあげたい」と観察して思う事があると思います。それがより意識的で高次であるほど、メタ認知が高いという事になります。

自分の呼吸を意識し、浮かんでくる考えに気付いては呼吸に意識を戻す・・・を繰り返すうちに、自分自身をあたかも空から客観的に眺めるように観察する感覚が育っていきます。自分が何を考え、何をやっているか、気づくようになるのはとても大切な事です。たとえば”つまらない考えをつまらないと認識する”事ができれば、それだけでそれ以上いたずらに振り回されなくなります。

セルフコントロール|気づけば行動が変わる

メタ認知によって、自分に気付けば行動が変わります。

そもそも、何が大切なのか、わからなければやりようがありません。

自分に気付く事で、何が大切なのかわかり、自分の心をコントロールしやすくなり、行動も変わってきます。そして、パフォーマンス向上へつながります。

瞑想で心を鎮める

瞑想は、心を鎮める最もシンプルで効果的な方法です。

なぜ心を鎮める事が大切かというと、心は常に勝手に色んな事を考えていて、私達はそれに囚われて、ついつい翻弄されています。たとえば、

やればいいとわかっていても出来ない、
言わない方がいいとわかっていてもついつい言いたくなって、そして後悔する
他人と比べて、ついつい落ち込んだり焦ったりする
他人の成功を妬ましく思い苦しむ・・・

これらは、情報に接した際に、心が反射的に反応して翻弄されているからです。

自分に気付くなら、この反射的な反応にストップをかけることができ、心を鎮める事ができます。

言葉で説明するのは難しいですが、実際に3か月くらい瞑想をやってみればわかるはずです。

瞑想がもたらすピアノ演奏への効果

では、瞑想はピアノ演奏にどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。

  • 練習・演奏への集中力アップ
  • 練習に必要な根気や忍耐力アップ
  • 練習し過ぎを防ぎコンディションアップ

です。

練習・演奏への集中力アップ

瞑想、すなわち、呼吸に意識を向ける事に習熟すると、目の前のやるべき事への集中力もアップします。

日々の練習は単調な繰り返しという性格が否めません。ついつい心ここにあらずで指だけ動かしている・・・という事になりがちですが、呼吸という無意識にやっている事へ意識を向ける事ができるようになると、単調な練習にも意識的に解像度高く取り組む事ができるようになります。

これは、実際に瞑想を実践した人だけが実感できる恩恵です。

ぜひ、瞑想をやりましょう!

心が鎮まれば練習に必要な根気や忍耐力アップ

どんなに集中して練習しても、すぐに出来るようになる事ばかりではありません。

一定期間、練習を続けなければならない事も沢山あります。

いつ出来るようになるのか・・・誰にもわからないものですが、そんな時、悪魔のささやきのように心はささやくでしょう。

そんな事やって何になるんだ・・・
無駄、無駄・・・

瞑想に習熟すると、そんな声は勝手にささやかせておいて、耳を貸さずにひたすらやるべき事をやり続ける根気や忍耐力も身についてきます。

実際に瞑想に取り組めばきっと実感できるはずです。

自分を客観視できれば練習し過ぎを防ぎコンディションアップ

本番が近くなると、失敗したらどうしようという不安や恐怖からついついピアノにかじるつきたくなります。そして、練習し過ぎになり、大切な本番前に手や腕が痛くなったり、最悪、腱鞘炎や肘部管症候群、ジストニアなど障害を引き起こしたり、という事もあります。

瞑想によってメタ認知力を養い、自分を客観視できてコントロールする事ができれば、

一体、今、自分が何をすべきなのか、
練習すべきなのか、
休息すべきなのか、
散歩に出かけるべきか、
あるいは・・・

賢明な選択ができて、それに従う事が出来るようになるでしょう。

瞑想を続けてみてください。
きっとその効果を実感できます。

まとめ|今、ここに生きる

瞑想とその効果について書いてみました。

瞑想は、究極のところ、ただ呼吸に意識を向ける、という極めてシンプルな方法による心のトレーニングです。そのトレーニングの効果は真摯に取り組めば必ず実感するでしょう。効果があるから一流アスリート達が実践しているのです。

不安も恐怖も、想像が生み出すものです。芸術において想像は命ですが、同時に諸刃の剣です。ネガティブな想像は不安や緊張を増大させ、あがり症につながります。そんな自分の心に気付き、コントロールできれば、いたずらに振り回される事も限りなく少なくなります。

結局、最強のメンタルとは、

泡のように浮かんでくる
雑多な考えをスルーして

今、ここに生きる

という事なんですよね。

もちろん、言うは易く行うは難しですが、効果のある方へ進んで行きましょう。

瞑想についてこの本がおすすめです。

瞑想とマインドフルネスの違いは?

という疑問も湧くかもしれませんが、そこはピアノ弾きにはあまり重要ではないので、ぜひ実践してその効果を享受してください。。。

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