K-Balletのドン・キホーテを観ました。
バレエの演目のタイトルって主人公の名前ずばりそのものというものが多いです。パキータ、ライモンダ、カルメン、シンデレラ・・・
でもドン・キホーテは、「キトリとバジルの恋物語」で主役はキトリとバジルっぽいのに、なぜドン・キホーテなのだろう、と常々感じていた疑問に答えてくれた今日の公演でした。
なぜなら、主役は完全にニコライ・ヴィユージャーニンのドン・キホーテだったからです。
ドン・キホーテはいわゆるイケメンではないし、およそ主役の概念ではないキャラですが、ヴィユージャーニンは物凄い圧倒的な存在感でした。
岡本太郎の言葉、
今日の芸術はきれいであってはならない
が浮かんできましたし、あるいは
『ガラスの仮面』の北島マヤが狼少女を演じるところとか、
ニレジハージが演奏するリスト『二つの伝説』より「波を渡るパオラの聖フランシス」を思いました。
表現の可能性、演じるということの凄さ・・・
一体、何に感動しているのかよくわからないのだけれど、
何だ?これは?
という驚きです。
正直、キトリとバジルの踊りを全く覚えていなくて、というかよく見ていなくて、ドン・キホーテばかりに注目させられ、惹きつけられました。
言葉では説明できない、不思議な感動を生涯忘れないと思います。
~♪~
Bunkamuraオーチャードホール
2021年5月19日(水)