パロマ・クーイデル マスタークラス|ラ・フォル・ジュルネ2019

ラ・フォル・ジュルネ2日目の5/4は、まずパロマ・クーイデル マスタークラス聴講しました。

♪この記事を書いた人
Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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室内楽で活躍中のパロマ・クーイデルさん

パロマ・クーイデルはこれまでにも何度かラ・フォル・ジュルネに来日しているみたいですが、私は今回はじめて知りました・・・だって公演の数が膨大なんだもの。全部を網羅するのは無理です。。。

あらためてパロマ・クーイデルさんですが・・・

パリ・エコールノルマル卒業、フィレンツェでヴィルサラーゼに師事し、ピアノトリオでミュンヘン国際コンクール最高位(1位なし2位)との事。

Youtubeで検索したらピアノトリオやチェロとのデュオが色々出てきました。いくつか聴いてみましたが、とても聡明で演奏が明解なので、聴いていて気持ちいいです。

パロマ・クーイデルのレッスン

受講生は武蔵野音楽大学大学院修了、長身でモデルさんのように美しい方。
曲はリスト ハンガリー狂詩曲第12番。

何で全く知らなかったクーイデルのマスタークラスを聴講しようの思ったかというと、曲がリストだからです。

昔々、私が20歳くらいの時にお世話になったある先生は

「リストはさらって音を並べればそれなりに曲になるが、ショパンはそうはいかない・・・」

だから、ショパンの方が難しいんだみたいなことをおっしゃっていました。

確かにコンクールなどではショパンよりもリストの方が(音楽的にやや未熟でも)それなりに聞き映えがして点数も高くつく傾向にあるのは現実として否めないのですが、でも、リストの音楽(の本質)はそうじゃないよねと思うのです。

あの膨大な音はそれだけの情報量の表れでその精神性を無視して音を並べても、どんなに精巧な造花も決して命ある花にはならないのに似ていると思うのです。

ということで聴講したレッスン、クーイデルに言葉をそのまま紹介します。

〜♪〜

最初に通して弾くのを会場の一番後ろで聴いていて、演奏が終わると前に移動しながら、「とてもいい演奏でした。」と拍手。

あなたの演奏をもっとよくするために聞きますが、ラプソディって何だと思いますか?

受講生が「踊り、そして、自由な精神」と答えると、

それは確かにラプソディの大切な性格ですが、ラプソディを古代ギリシャ語の語源まで遡ると「歌を縫い合わせる」という意味があります。

この曲には8個のテーマがありますが、それらを縫い合わせているわけで、ラプソディはファンタジーと基本同じで自由です。

短いそれらのテーマをどう構築していくかですが、まず、テーマそれぞれを極端なくらいキャラクターを与えた方がいいです。

例えるなら、緊張と弛緩を、パッチワークのように組み合わせていく、その自由は奏者に任せられています。

ハンガリーの踊り、例えばチャルダッシュの踊りを知っていることはとても大切です。今はYouTubeでいくらても見ることができますね。

アクセントの強調もテーマのキャラクター作りに大切で、リズムを強調してテーマの個性を作っていくのです。

冒頭のオクターブ、よかったけれど、メストはテンポでなく気分のこと。=ノスタルジー。ドラマというよりも熱に浮かされた感じの時にはフォルテではあってももっと内的に。冒頭4度の音程をもっと聴かせるようにしましょう。

テーマはできるだけグランティオーソに登場させるように。

ペダル濁らないで、テーマがある時こそクリーンに。

フェルマータがたくさんありますが、優先順位があるのでよく考えましょう。例えばアダージョの前は長いかもしれません。

実際にはステージ上のあなたの気分で自由にしていいのですが、聴いている人が理解できるように引っ張っていきましょう。

《痛み》や《切なさ》という感情はルバートとは相性がよくないので気をつけましょう。

ルバートは引っ張った分、ちゃんと後で取り返すように。

ムードの変化を明確に。
この作品では、思い詰めたんだけど「あっ、実はそんなに大したことじゃないな」みたいなのがフレーズの最後に登場しますので大切に弾きましょう。

汽車はゆっくりスタートするけれど走り始めたらドンドン行くというような感じで、音楽は進んでいかなければなりません。

テーマが何度も登場するためにけれど、聴いている人があきないように。

fからpへのディナーミクの変化や、音域の変化など、リストの音楽の「日常をはみだすような突拍子もないような」ところは、コントロールのためにゆっくり充分に練習する必要があります。

同じ場面ではフレーズが変わってもテンポを変えるべきではないです・・・

〜♪〜

という感じのレッスンでした。

何となく弾けているだけでは説得力に欠ける

印象として、受講生さん、とてもよく弾けているのですが、よ〜く聴くと何となく弾けているだけのところを逃さずチェックを入れている感じがしました。

それは、何となく弾けているだけでは演奏の説得力に欠けて、聴衆をどこかへ連れていくことができないからで、それはイコールとして退屈な演奏ということになるからです。

パロマ・クーイデルの演奏をYoutubeで聴いたそのままの、明解なレッスンでした。

曲(演奏)をどう作っていくかという考え方とか頭の使い方についてとても参考になりました。

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