観たい絵、読みたい文章、聴きたい演奏、食べたくなるパン・スイーツ・・・
そういうものって、上手で、うまくできているものだと思っていますよね、ふつーは・・・
でも、時々、そうじゃないかもしれないと感じる不思議なものに出逢います。
上手いのか、
上手くないのか
わからないけど、
何かいいな~と感じる
ついつい、観てしまう、
読んでしまう、
聴いてしまう、
買って、食べてしまう・・・
何なのでしょう、その不思議な何か・・・
ニコライ・ホジャイノフという、上手いのだけれど、もっと上手く弾くピアニストはいくらでもいるし、いつもどこか危うい演奏をするが、ドキドキしながらも、なぜか聴いてしまうピアニストのリサイタルを聴きました。
ニコライ・ホジャイノフ|2010年ショパンコンクール最年少ファイナリスト
彼は2010年10月のショパン国際ピアノコンクールで17歳の最年少ファイナリストとなり、その演奏を広く知られるようになりました。
1次予選での演奏を聴き、彼が優勝するのではないかと思った人は少なくなかったでしょう。
私もそのひとりです。
その後、ステージが進むにつれ出来不出来に差があり、ファイナリストにとどまりました。
出来の悪い時は、聴いている人をドキドキ、ハラハラさせる、ある意味、罪深いピアニストです。でも、その底知れない才能と、聴かずにいられない不思議さに、興味深く聴いてきました。
もう何度も来日していますが私はライブで初めて聴きました。
ホジャイノフのあやうい魅力
・・・で、やっぱり危ういです。
時々、「あれ?今おかしいよね?」とか「え?崩壊する?」ヒヤヒヤするところがいっぱいあるのです。
でも、本人は平然と弾いているので、聴いているこちらが気のせいかと思わされる。
いやいや、おかしかったでしょ。
でも、そんな事、どうでもいいと感じさせる何かがあります。
正直、日本国内のコンクールの基準だと、完全にアウトっぽいです(笑)
でも、聴きたい。
彼の演奏に完璧さや安定感なんか要らない。
危ういままでいい、いや、その絶妙な危うさを聴きたいとさえ想うのです。
何なのでしょう。。。
上手いって何だ?上手くなくていいんじゃないか
毎日こうしてブログを書いていると、「上手く書きたいな」と思ったり、「そもそも文章上手くなった方がいいんじゃないか」と思ったりします。
・・・で、「文章の書き方」みたいな本を見たり、ネットで検索して出てきた情報を見たりするのですが・・・
正直なところ、それ書いている人のその文章って、上手くできていて整っていて素晴らしいけれど、あまり面白くないんですよね・・・
それで本なら買わないし、サイトもすぐ立ち去ってしまう・・・
上手い文章読みたい人は文学作品読んだらいいし、完成されたものを読みたい人は完成度の高い本を読んだらいい・・・
私は、私が書きたいものを書きたいように書く。
上手いのか上手くないのかわからないけど、毎日読みたくなる・・・
そんなところを目指します。
ということを感じさせてくれたニコライのリサイタルでした。
プログラム|ニコライ・ホジャイノフ ピアノリサイタル
ニコライ・ホジャイノフ ピアノリサイタル プログラム
ショパン:バラード第2番へ長調 Op.38
ショパン:3つのワルツ Op.64-2, Op.69-1,2
チャイコフスキー:主題と変奏へ長調 Op.19-6
リスト:スペイン狂詩曲
〈休憩〉
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.28
☆アンコール(全6曲)
ヴェルディ=ホジャイノフ:椿姫ファンタジー
シューベルト=リスト:アヴェ・マリア
リスト:鬼火
プッチーニ=ホジャイノフ:蝶々夫人より
シュトラウスII=ローゼンタール:「こうもり」よりウィーンの夜会
さくら(ホジャイノフ編)
~♪~
2015年4月14日 19時開演
武蔵野市民文化会館 小ホール