個を突き抜けて普遍性へ|ショパンコンクール2021総括

ショパンコンクールは全てのステージを終了し、目覚めたら結果が発表になっているだろうと思ったら、朝食を終えて片付けを終えてもまだ発表になりませんでした。

待ちに待って出た結果は

2位が2人、4位が2人で本来なら6位入賞まで6人のところが8人。

これは財政問題を確認するために時間がかかったのかな?と勝手に推察。

ともあれ、まあ落ち着くところに落ち着いて何よりです。

個人的にも今回のショパコンはとても盛り上がり、思うところも沢山あるので、まとめておこうと思います。

♪この記事を書いた人
Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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1年延期されてレベルが上がった

2005年から国際コンクールの配信を聴いていて、ショパンコンクールは4回目ですが、今回はこれまでになくレベルが高かったと思います。

予備予選から凄くて、審査員も仕事とは言え、罪の意識に慄いたのではないでしょうか。

その背景には、やはり世界的パンデミックによって1年延期されたことがあると思います。

コンテスタントは準備に時間があったというだけでなく、このような中で音楽をする意味、演奏するということは一体何なのか、自分に何ができるのか・どうするべきなのか・・・色々と考えたことでしょう。

そんなことも反映されて、本当に素晴らしいパフォーマンスばかりでした。

もうひとつのショパンコンクール|ピアノメーカーの闘い

前回2015年のショパンコンクールの後、『もうひとつのショパンコンクール』としてピアノメーカーと調律師さんの闘いを紹介したドキュメンタリー番組がありましたね。

あの時はヤマハは躍進し、カワイとファツィオリは寂しいものでしたが、今回は2次予選でヤマハは姿を消しました。

スタインウェイは安定の地位として、カワイとファツィオリが大躍進!

ファイナルでの選択は

1位:ファツィオリ
2位:スタインウェイ、カワイ
3位:ファツィオリ
4位:スタインウェイ、スタインウェイ
5位:ファツィオリ
6位:カワイ

でした。

ファツィオリもカワイも、関係者の皆さんの喜びはひとしおでしょう。これまでの尽力に心より敬意を表します。

・・・個人的なことですが、子供の頃にはじめて通った教室のピアノがカワイだったこともあって、アップライトも今のグランドもカワイな私はとても嬉しいです。。。

結果は”運”としか言いようがない

コンクールはホントに残酷です。

陸上や競泳のようにようにタイムで順位がつくわけではなく、また野球やサッカーetcのように勝敗がはっきりするわけでもなく、さらに体操やフィギュアスケートのように採点基準が明確なわけでもないのに当落が決まり、順位がつき、それによって評価されチャンスの有無にも影響します。

”公平な審査”ということは常に言われ、審査方法も改善され続けていますが、そう言っても好み抜きで審査することなど不可能でしょう。

もう、結果はホントに”運”としか言いようがありません。

運というと、日本人(というか東洋人)なら、開運祈願とか願掛けとか風水とか思いつきますがどうなんでしょうね。個人的にお墓参りは運気アップに効くと思っていますが・・・

絶対に運気が上がります!お墓参りのすすめ
お墓参り行っていますか? 私は東京に暮らしていて、両親のお墓は滋賀県。 1年に2回ほどお墓参りに行くようにしています。 お彼岸やお盆にこだわらずに、滋賀にいる妹や就職した姪とLINEしながら何となく流れで決めて行きますね。 合わせて京都観光...

コンテスタントのみなさんを見ていると、やはり言動や立ち居振る舞いが立派だなと思います。”音楽家たるもの”という心構えがしっかりしていますよね。

結果に関わらずそういうコンテスタントの方々には素晴らしいチャンスがもたらされることでしょう。。。

個を突き抜けて普遍性へ

素晴らしいのは確かだけれど、個人的に好きなタイプではないというコンテスタントがいます。

ですが、今回に関しては、どんな結果でも別にいい・・・と心の底から思っている自分がいました。

それは、私が大人になったということだけではなく、コンテスタントたちがみな突き抜けていたからだと思います。

突き抜けたことで、個性や癖を超えて普遍性のレベルにまで高まり、好き嫌いを超えたのではないかと思っています。

突き抜けるには、やはり音楽への献身、ショパンへの愛、ピアノへの愛・・・ですね。

ホントに、みなさん素晴らしかったです。

最後に、それでも好きなのはアレクセイヴィチだ!

さて、とにかく、結果はどうでもいいし、みなさんの熱演には感謝しかないのですが、今回一番印象に残ったのは、ポーランドのピョートル・アレクセイヴィチ(Piotr Alexewicz)でした。

Piotr Alexewiczの名前がファイナルにないのは、2007年エリザベート王妃音楽コンクールピアノ部門のファイナルにヴァディム・ホロデンコの名前がなかったのと同じくらい衝撃だったんですけれど、ホロデンコも着々とキャリアを積み重ねているので、アレクセイヴィチもきっと活躍すると信じています。。。

Piotr Alexewicz ― 1次予選

Piotr Alexewicz ― 2次予選

Piotr Alexewicz ― セミファイナル

ともあれ、ショパンに浸った3週間でした。

コンテスタントのみなさん、素晴らしい演奏をありがとう!!

みなさんのこれからが幸多からんことを。。。

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