ピアノ弾きの手の痛み・故障はミスユース×オーバーユース

ピアノを弾くと手が痛くなる・・・

痛みは身体からの警告なので、無視して弾き続けるといずれ故障します。

いい演奏をするために練習するのですから、
痛み生じたり、
まして故障するのは
何かがおかしいのです!

痛みを我慢して練習するのは、愚かなこと、決して”美談”ではありません。

ピアノ演奏・練習による痛みや故障で無駄に悩む事のないように、なぜ痛くなるのか故障するのか考えましょう。

♪この記事を書いた人
Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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ミスユース×オーバーユース|痛み・故障の方程式

ピアノを弾くと手が痛い
痛みを我慢して練習しているうちに、故障してしまった・・・

なぜ、痛くなるのか、
そして、故障してしまうのか、
ひと言で表すなら、

ミスユース × オーバーユース
⇒ 痛み
⇒ 故障

です。

  • ミスユースとは
    ⇒手や身体、耳、頭の誤った使い方
    弾き方・練習方法が適切でない
  • オーバーユースとは
    ⇒使いすぎ
    弾き過ぎ・練習し過ぎ

つまり、弾き方が悪かったり、弾き過ぎれば痛みが生じ、やがて故障するという事です。

ふつーに考えたら、もっともな話ですが、なぜかピアノの話になると忘れられがちです。

順に解説します。

そもそも弾けないならミスユース

痛みの前に、ある曲を練習しているのにいつまでも弾けるようにならないなら、それはミスユースの可能性が高いです。

練習したら弾けるようになるはずですし、弾けるようになるために練習するのです。

もちろん、一朝一夕に弾けるようにならないとしても、上達や進歩がないとしたら、それはミスユースゆえと認めましょう。

弾いている最中に痛くなるならミスユース

弾けないのは論外として、もう少し具体的に考えてみましょう。

いちおう弾けるけれど、何かサマにならないとか、もう少し速いはずだけれどテンポがあがらない・・・そういう練習をしている時に痛みが生じやすいですが、

弾き方が悪ければ、短時間の練習でも痛くなります。

ミスユース度が高ければ、短時間でも心身への負荷が大きく痛みを生じさせます。
逆に言えば、少ししか弾いていないのに手が痛くなるなら、それは弾き方が悪いという事です。

わかりやすい目安として

ある曲を通して弾いている最中に痛みが生じるなら、何かがおかしいです。

1曲を痛みによって最後まで弾き通せないのは言うまでもなく、途中で痛みが生じるならおかしいと自覚しましょう。

痛みがなければ、ミスユースとは一概には言えませんが、痛いならそれは絶対におかしいのです。断言します!

どんなに弾き方がよくても弾き過ぎれば痛くなります

また、どんなに弾き方が良くても、弾き過ぎればやはり痛みや故障の原因になります。

これは上級者に多いと思いますが、休憩をとらずに1日に6~8時間の練習を心身へのケアを行わずに続ければ痛みや凝りなどが生じて当然です。つまりオーバーユース。

オーバーユースを防ぐには、

一に休憩!
二に休憩!
とにかく休憩!

です。

練習が白熱すると時間が経つのを忘れがちですが、練習が実を結ぶためには休憩が必要です。

おすすめはポモドーロ・テクニック。

ポモドーロ・テクニックとは、集中する時間と休憩時間を繰り返すことで、仕事のペースを生み出す時間管理術の一つです。ざっくり説明すると

  1. タイマーを25分に設定して作業を開始する
  2. タイマーが鳴ったら、3~5分の休憩をとる
  3. 4~5回に1回は、15~30分の長めの休憩をとる

です。個人的には休憩は5分にして、30分を一コマを推奨します。休憩の5分間には瞑想やストレッチをすると心身リフレッシュになり、練習効率も上がります。

初・中・上級|レベル別のミスユース×オーバーユース

ミスユース×オーバーユースを初級・中級・上級のレベル別に考えましょう。

ピアノ演奏は簡単ではない|初級のミスユース×オーバーユース

初級とは、ざっくりブルグミュラーくらいまでとしておきましょう。

ピアノは誰でも鍵盤を押せば簡単にそれっぽい音が鳴るので簡単に弾けそうな気がするのかもしれませんが、ピアノ演奏は一人アンサンブルで頭もフル回転し神経も使いますし、日常生活では行わないほど複雑な手指の動きをしています。

だからこそ、いわゆる基礎が大切、

適切なフォームとタッチを習得しましょう!

簡単に音が鳴るゆえにフォームやタッチがなおざりにされがちです。
また、手っ取り早く弾きたいがゆえに、フォーム&タッチに無頓着なまま楽曲を練習すれば、痛みが起こるのは目に見えています。

ピアノを弾く・学ぶというのは、ゴールのない旅のようなものです。終わりがないからこそ初めが肝心です。

いい先生について正しい道を歩みましょう。

もしも、先生に師事していて、指導された通りに弾いているのに痛みが生じるなら、それは先生を変わるべきです。

自分自身が素晴らしく演奏する能力と、生徒の問題点がわかり解決策を提示できる能力は別です。

前者は演奏者としてのスキル、後者は指導者としてのスキルです。

いくら、素晴らしいお手本を聴かせてくれて、人柄も素晴らしくて、親切な先生だとしても、生徒が「ピアノを弾くと手が痛い」と訴えた時に、なぜ痛くなるのか、どうすればよいのか具体的に解説、提案できないなら、その生徒にとっては、適切な指導者ではありません。

本来なら、先生の方で適切な人を探して紹介するべきだと私は思いますが、それが出来る方は限りなく少ないでしょう。

だとしたら、生徒自身が対処しなければなりません。自分の悩みを解決してくれる先生を探しましょう。義理立てする必要はありません。

自分を上達させ、自分を幸せにするのは自分自身です。

初めが肝心|我流・自己流で悪い癖をつけない

巷には、初心者の方向けの独学のテキスト・本、またYoutube動画などがあふれています。

しかし、ピアノに限らず初心者というのは、

何が良くて何が誤りなのか判断する知識もスキルも経験もありません。

独学と言えば、聞こえはよいですが、実態は我流・自己流です。
悪い癖が着く条件が整っています。

悪い癖は、中級⇒上級への進歩を阻みます。
簡単そうな曲を弾いている時こそ、適切な奏法を習得しましょう。

そのためには、いい先生について定期的にレッスンを受講する、一択です。

ピアノ演奏は重労働|初級者こそ1回の練習時間は短く

初級レベルで弾くのは、簡単そうな短い曲なので、そもそも練習時間も短いから、オーバーユース=弾き過ぎや練習し過ぎなんて無縁と思われそうですが、さにあらず!

ピアノ演奏は日常生活では決して行わないような細かい手指の運動をしますし、耳・目・頭脳もフル活用するので、意外に重労働です。

1回の練習時間は短く、
1520分にとどめ、
休息をはさんで
2度・3度に分けて練習するようにしましょう。

これからピアノを練習しようとしている初級者の1時間と、幼い頃から毎日2~3時間以上練習してきた上級者の1時間は、同じ1時間でも心身への負荷が全く違います。

長時間練習したからと一朝一夕に上手くなるわけではありません。むしろ、短時間で集中して効率よく成果を挙げるために工夫しましょう。

ミスユースゆえに万年中級|中級のミスユースとオーバーユース

中級のミスユース×オーバーユースを考えましょう。

万年中級という言葉がありますが・・・

そもそも、長年ピアノを学習していて、上級を目指しているにも関わらず中級どまりなのは、ミスユースだと自覚しましょう。

ミスユースゆえに中級どまり

万年中級というのは、弾く曲が中級レベルという意味と、上級レベルの曲を弾いてもそれっぽく聴こえないというふたつの意味があります。

長い間弾いているのに、中級レベルの曲から抜け出せないのは、広い意味でミスユースがあります。明らかに悪い癖がついている場合もあるでしょうし、基礎的なトレーニングが出来ていないために奏法に無理があって難しい曲が弾けないという事もあるでしょう。

ミスユースだから練習時間が長くなる

ミスユースゆえに、練習してもなかなか弾けるようにならず、必然的に練習時間が長くなり、そしてオーバーユースになってしまいます。

ミスユースとオーバーユースは切り離せません。

初級編と重複しますが、万年中級を脱するには、いい先生についてしっかり習う事です。

自分自身が素晴らしく演奏する能力と、生徒の問題点がわかり解決策を提示できる能力は別です。

前者は演奏者としてのスキル、後者は指導者としてのスキルです。

いくら、素晴らしいお手本を聴かせてくれて、人柄も素晴らしくて、親切な先生だとしても、生徒が「ピアノを弾くと手が痛い」と訴えた時に、なぜ痛くなるのか、どうすればよいのか具体的に解説、提案できないなら、その生徒にとっては指導者として役に立たないという事です。

自分の悩みを解決してくれる先生を探しましょう。

義理立てする必要はありません。

自分を上達させ、自分を幸せにするのは自分自身です。

弾けるに甘んじず常にバージョンアップ|上級のミスユース×オーバーユース

上級者のミスユースは、初級・中級とは次元が異なります。

というのも、そもそもミスユースがあれば難曲を演奏することは不可能だからです。

音楽的要求が高くなればテクニックもバージョンアップが必要

上級者はミスユースがない前提ですが、上級になればなるほど、音楽的な要求が高くなればなるほど、わずかな”無駄”や”無理”が妨げになります。

上級者の”思うように弾けない”とか”目指す演奏が出来ない”というのは、非常に高次元の話です。

高次元の音楽的要求に対応するためには、常に技術も洗練させていかなければなりません。

今までは良かった事も、レベルが上がって音楽的要求が高くなれば役に立たなくなります。そこを自覚せずに、無理やり何とかしようとあがくとオーバーユースになり、痛みが生じたり、故障に陥ったりします。

音楽にゴールはありません。

常にバージョンアップしましょう!

レベルが上がれば上がるほど、先生に習うというより、自分の音楽に必要なものを自分で獲得しなければならない事柄が増えていきます。

才能というのは、究極のところ、何回脱皮できて化ける事が出来るか、ではないかと考えています。

本番対策を練習量だけに頼らない

ピアノを弾く以上、どんなレベルでも人前での演奏の機会があることでしょうし、そこにはプレッシャーも生まれます。

上級者演奏会だったりコンクールや試験など結果次第で音楽人生変わるほど影響を持つ本番には、不安や恐怖がつきまといます。

しかし、本番対策をただ練習量だけに頼ると、オーバーユースのリスクが高くなります。プレッシャーがあるだけで肩や首に緊張が出やすいものです。そういう状態で練習量を増やせば、身体への負担はより大きくなります。本番前に痛みや故障が起きやすいのは、普段の4時間とプレッシャーのかかっている状態での4時間では心身への負荷が違うからです。

本番対策を練習量に頼ってはいけません!

脳内練習やイメージトレーニング、瞑想(マインドフルネス)などピアノを離れて行う準備をしっかり活用しましょう。

また、練習時間の長い上級者こそ初級者の項で紹介した

ポモドーロ・テクニック

推奨します。再掲すると

  1. タイマーを25分に設定して作業を開始する
  2. タイマーが鳴ったら、3~5分の休憩をとる
  3. 4~5回に1回は、15~30分の長めの休憩をとる

です。

ピアノに向かう時間が長いからこそ、休憩が大切です。適切に休憩をとった方が練習効率も成果も高くなることは実証されています。

まとめ

ピアノを弾くと手が痛くなったり、無理を続けて故障したりするのは、

ミスユース × オーバーユース

が原因です。

  • ミスユースとは
    ⇒手や身体、耳、頭の誤った使い方
    弾き方・練習方法が適切でない
  • オーバーユースとは
    ⇒使いすぎ
    弾き過ぎ・練習し過ぎ

以下はミスユース×オーバーユースのレベル別”あるある”です。

初級者】
適切なフォームやタッチを身に着け、ミスユースを防ぐ。
何よりいい先生についてしっかり習う。
1回の練習時間は短く1520分、休息をはさんで2度・3度に分けて練習する。

中級者】
♪ミスユースゆえに万年中級
♪ミスユースゆえに練習時間が長くなり、オーバーユースになりがち
♪ともかくいい先生についてしっかり習う

上級者】
♪音楽的要求が高くなれば、技術もバージョンアップが必要。
♪本番対策を練習量だけに頼り過ぎず、脳内練習・イメージトレーニング、瞑想(マインドフルネス)など工夫して心身に負担をかけ過ぎない。

オーバーユースを避けるには、ポモドーロ・テクニックがおすすめです。概要は

  1. タイマーを25分に設定して作業を開始する
  2. タイマーが鳴ったら、3~5分の休憩をとる
  3. 4~5回に1回は、15~30分の長めの休憩をとる

です。

練習はいい演奏をするためにするのです。
痛み生じたり、
まして故障するのは
何かがおかしいです。

痛みをこらえて練習するのは美談ではなく、愚かな事です。

立ち止まって、どうするべきか考えましょう。。。

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