8月の音楽カレンダー(3)バーンスタイン、ベーム、パールマンetc

クラシック音楽家たちをカレンダーで紹介するInaの音楽カレンダー。 8/21〜31ゆかりの音楽家たちです。

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ピアニストを中心に音楽家の誕生日・記念日を紹介した音楽カレンダーです。 素晴らしい作品を生み出してくれた作曲家・演奏家たちに感謝と敬愛を。。。 音楽カレンダーはTwitterでもご紹介しています。 1月|ミケランジェリ、ポリーニ、モーツァル...
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Yoko Ina

音楽&ピアノ、自然、読書とお茶時間をこよなく愛しています

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8/21はピアニスト ミロスラフ・クルティシェフの誕生日

8/21はロシアのピアニスト ミロスラフ・クルティシェフ(Miroslav Kultyshev)の誕生日。

1985年サンクトペテルブルク生まれ、6歳で演奏会、10歳でサンクトペテルブルク・フィルとモーツァルトのピアノ協奏曲Kv.466を共演し、10代でゲルギエフ、テミルカーノフらと世界各地を演奏。 

恩師(サンクトペテルブルク音楽院教授)に「今やコンクールは避けて通れない」に強く勧められ、2007年チャイコフスキー国際コンクールに出場、第2位(最高位)に入賞しました。 この時の演奏をストリーミング配信で聴き、大きな衝撃を受け非常に思い入れのあるピアニストです。 とても個性的で、キレイな型に納まりきれないパッションに共鳴します。独特のリズムとか、アクの強さとか、クルティシェフ節というか・・・好みは大きく分かれるでしょう。

強く影響を受けたというホロヴィッツ編曲によるリスト『ハンガリー狂詩曲No.19』2019年7月の演奏。 そのあふれる感情をコントロールする術はだんだんにわかってくるだろうし、わからないかもしれない。でも、君はそのままでいいんだよ・・・という演奏です。

8/22はクロード・ドビュッシーの誕生日

8/22はフランス近代の作曲家クロード・アシル・ドビュッシー(Claude Achille Debussy)の誕生日。

1862年パリの隣のイヴリーヌ県生まれ。 耳当たりのよい作品で広く一般にも人気ですが、実は気難しい人で内向的かつ非社交的だったようです。 パリ音楽院時代にも不満や文句が多く、ギローなど担当教師らを困らせていたとか。 また、異性関係のトラブルも伝えられています。 同時代のラヴェルと並べられることが多いですが、ラヴェルは実は保守的で、本当に革新的なのはドビュッシーなのですよね。 舞踊詩「遊戯」をどうぞ。。。

8/23はモーリッツ・モシュコフスキーの誕生日

8/23はポーランド出身のユダヤ系ピアニスト、作曲家、指揮者モーリッツ・モシュコフスキー(Moritz Moszkowski)の誕生日。

1854年現ポーランドのヴロツワフ生まれ。 ピアノ教育のカリキュラム的には、チェルニーが終わってショパンのエチュードを弾く前にやるのがモシュコフスキーということになっていますが、実際には弾かない人が多いかもしれません。 私も、チェルニー50番終わってモシュコフスキーやらずにショパンのエチュードを(無理矢理)弾きました。 現代ではピアノ弾きでも知らない人が多いですが、当時はかなり人気だったようです。 

スペイン奇想曲Op.37をどうぞ

8/24はヴァイオリニスト ヴァーシャ・プルシーホダの誕生日

8/24はチェコのヴァイオリニスト ヴァーシャ・プルシーホダ(ヴァーシャ・プシホダ、Váša Příhoda)の誕生日。

1900年南ボヘミア州生まれ、ヴァイオリン教師の父より3歳からヴァイオリンの手ほどきを受け、プラハ音楽院へ入学、1913年にプラハでデビュー。 第一次世界大戦後演奏活動を本格化させるも人気が出ず、生活費を稼ぐためにイタリア・ミラノのカフェでヴァイオリン弾きのアルバイトをしていたある日、客のひとりとして訪れていたアルトゥーロ・トスカニーニに「現代のパガニーニだ!」と見いだされて一躍国際的な名声を手にしました。 

ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲をどうぞ。

8/25はレナード・バーンスタインの誕生日

8/25は作曲家、指揮者、ピアニスト レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)の誕生日。

1918年マサチューセッツ州生まれ、アメリカ生まれの指揮者としてはじめてニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任したのが1958年、40歳の年。 カラヤンと何かにつけ比較されるなど話題も多い人でした。 作曲家としては、ミュージカル「ウエスト・サイド物語」で広く知られます。 その「ウエスト・サイド物語」よりシンフォニック・ダンスを自身の指揮でどうぞ。。。

8/26はN響ゆかりの指揮者サヴァリッシュの誕生日

8/26は指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)の誕生日。

1923年ミュンヘン生まれ、1964年11月の初来日以来ほぼ毎年のように来日、NHK交響楽団とは相思相愛状態が長く続き、1967年に名誉指揮者、1994年に桂冠名誉指揮者に就任しています。 サヴァリッシュ自身、「日本の他のオーケストラとは共演したくない」と言うほどN響に惚れ込み、N響もまたサヴァリッシュに惚れ込んだとか・・・ とは言え、常任指揮者にはなっていないのですよね。 最後に音楽監督を務めたフィラデルフィアで「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を。。。

8/27はヴィオラ奏者レベッカ・クラークの誕生日

8/27はイギリスのヴィオラ奏者で作曲家レベッカ・クラーク(Rebecca Helferich Clarke)の誕生日。

1886年イングランド・ハーロウ生まれ。厳しすぎる父親の影響や、女性ゆえの社会の偏見や事情に翻弄された人生を歩んだ人。 ヴィオラ奏者として、またヴィオラを主役にした室内楽で、同世代の女性作曲家の中でも個性的な作品を生み出した、実は音楽史上の重要人物です。

モルぺウス(ギリシャ神話に登場する夢の神)をどうぞ。

8/28は指揮者カール・ベームの誕生日

8/28は指揮者カール・ベーム(Karl Böhm)の誕生日。

1894年オーストリア・グラーツ生まれ。 グラーツ大学で法律を学び、法学博士の学位を得ると同時に、グラーツ市立歌劇場の法律顧問をつとめていた父親の友人の紹介で、ブラームスの親友だったオイゼビウス・マンディチェフスキよりプライベートに音楽を学びました。 1917年にグラーツ市立歌劇場でデビュー、ハンブルク、ドレスデンなどを経て1943年ウィーン国立歌劇場総監督に就任。

第二次世界大戦を経て、1954年再びその地位を得ますが1956年に辞任した後は”フリー”として活動するも、オーストリア大統領ルドルフ・キルヒシュレーガーに“(オーストリア)共和国が与え得る栄誉はすべて与えました”と言わせるほどの名誉職を贈られました。 とても控え目で地味な印象ながら、練習の厳しさは伝説的、それだけに関係者や聴衆の信頼は絶大だったベームが得意としたのはやはりオペラでした。 モーツァルト『フィガロの結婚』英語字幕付きです。

8/29はジョン・ケージ「4分33秒」が初演された日

8/29はジョン・ケージ(John Milton Cage Jr.)の「4分33秒」が初演された日。

1952年8月29日、この作品「4分33秒」は、ニューヨーク州ウッドストックでの慈善コンサートで、ピアニストのデヴィッド・テューダーにより初演されました。 「テューダーは、演奏を始める素振りを見せながら、結局タイトルと同じ時間のあいだ、まったく音を出すことなく“演奏”を終えた」そうです。 ケージの考えは、音と沈黙の唯一の違いは、聴く意図の有無にあるということ。

ピアノを一切鳴らさずとも、集中して聴くことで、外で風がざわめく音や屋根に落ちる雨音など、周囲にあるさまざまな音が聞こえてくる。それら環境音もまた、ケージに言わせれば音楽だった。「音楽はいつも続いています。音楽を追い払うかどうかは私たちしだいです」と彼は宣言した ケネス・シルヴァーマン『ジョン・ケージ伝』柿沼敏江訳、論創社・水声社。

初演時には大変な物議を醸したこの作品は、今なお「そもそも音楽とは何か?」を改めて考えさせられます。 私個人としては、《試み》や《問題提起》としての意義は認めるけれど、それ以上ではないし、好き嫌いを問われれば好きではなく聴きたい作品でもありません。 けれど、ただダラダラと音を流せば音楽になるのか? 楽譜に描かれた音の鍵盤を押し下げて音を出しさえすれば音楽なのか? 「楽音」と「物音(ノイズ)」との違いは何なのか? 「これは《音楽》ではないと言い切るあなたの言う《音楽》とは何ですか?」 という究極の問いを発し続けていると思います。 ご存知ない方、一度聴いてみてください。

8/30はピアニスト ディミトリス・スグロスの誕生日

8/30はギリシャのピアニスト ディミトリス・スグロス(Dimitris Sgouros)の誕生日。

1969年アテネ生まれ。 7歳でリサイタル・デビュー、10歳でアテネ国立音楽院のピアノ科教授に就任、12歳のときにロストロポービッチの指揮でラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』を弾きカーネギー・ホールデビュー。13歳でラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』英国ロイヤル・フェスティヴァルホールデビュー(ロストロポービッチ指揮/ロンドンPO)とまさに神童! アルトゥール・ルービンシュタイに”私を含めたすべてのピアニストの中で最も優れている”と言わせ、愛用の金時計を贈られました。

ブラームスピアノ協奏曲第1番をどうぞ。

8/31はヴァイオリニスト イツァーク・パールマンの誕生日

8/31はヴァイオリニスト イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)の誕生日。

1945年イスラエル生まれ。3歳の時、ラジオでヴァイオリンの演奏を聴いて感動しレッスンをはじめます。 4歳のとき、ポリオ(小児麻痺)にかかり、後遺症で下半身が不自由になるも、ヴァイオリンをあきらめることなく、アメリカ=イスラエル文化財団の奨学金を受けて、テル・アヴィヴ音楽院でリヴカ・ゴルトガルトに師事、10歳で最初のリサイタル、これをきっかけにイェルサレム放送管弦楽団の演奏会に招かれ、ラジオにも出演。 13歳の時、アメリカの人気番組「エド・サリヴァン・ショー」のタレント・コンクールに応募して優勝、翌1959年2月にリムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」やヴィエニャフスキの「華麗なるポロネーズ」を弾いて大絶賛を浴び、アメリカに留まることを決意。 アイザック・スターンの強い推薦を得てジュリアード音楽院に入学、名教師イヴァン・ガラミアンとそのアシスタントのドロシー・ディレイのもとで学びました。

パールマンの凄さは、何と言っても安定した超絶技巧でどんな難曲もニコニコと楽しそうに弾くところ! 伝説となっている逸話のひとつに、N響と共演した際のリハーサルで、ヴァイオリンパートが苦労している時に「私は足が不自由ですが、みなさんは手が不自由なようですね。」と言って、団員の苦笑を買ったとか・・・ ふつーは怒りますが、パールマンに言われたら笑うしかありません。 そして、技巧以上に素晴らしいのがどこまでも澄み切った晴れやかな音楽です。

世界は希望に満ちている・・・

そう語る彼のベートーヴェンヴァイオリン協奏曲をどうぞ。

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